縄文時代は薬だった

こんにゃくの原産地はもともと東南アジア。日本には縄文時代に貴重な藥として里芋などとともに中国から伝えられたという説もあります。その頃はよろず神々への捧げものとして使われ、平安時代にはいり仏教の精進料理として高僧達にふる舞われました。江戸時代に入りようやく庶民の食卓にのるようになったようです。

こんにゃくは、多年生植物で里芋科に属しこんにゃく芋のから作られます。






蒟蒻
幻の蒟蒻

「そこで全く予期もせぬ偶然に出あった。何気なく引き抜いた芋に、博士が飛びついたのだ。これは新種だ、幻のコンニャクとさえいわれているもので文献では知っているが実物を見るのは初めてだと博士は大いに興奮した様子、…」。
(石井正治著『南から』の一節)

日本では数少ないコンニャク博士であるお茶の水女子大学の大槻虎男博士がムカゴコンニャク(幻のこんにゃく)と呼ばれる新種を発見した時の経緯です。

現在アイレスは安定した原材料を確保できるアンビコ社に技術を提供し、低カロリー食物繊維たっぷり味しみ抜群の乾燥こんにゃくを健康維持、ダイエットにまたお料理の新食材として全国の市場に提供しております。







■食品素材としての可能性

乾燥こんにゃく・アイレスは、こんにゃくを「乾燥する」という加工により、いままでのこんにゃくに無い新しい特性を持つことができました。単に乾物であることの便利さ以上に、加工食品の新しい素材としての可能性が出てきたといえるでしょう。

本来こんにゃくは、耐熱性の強固なゲルとして他の水性ゲルには無い極めて特徴的な性質があり、加工食品の素材として利用できれば有為な食品開発ができる可能性がありました。ところが、「においがある、味がつきにくい、冷凍できない」という性状のため、使いづらい素材になっていたと思われます。こんにゃくの「乾燥」によって、それらの欠点のいくつかが解消し、本来のこんにゃくが持つ特徴を活かした食品作りが具体的に始まっています。

たとえば、こんにゃくの低カロリー性という特徴を活かしたウェイトコントロール食品、無味無臭の利点を生かし様々な食品の素材として利用されています。
また、水に膨潤するだけで溶解しないため、増粘安定剤として使用される水溶性の多糖類と違い、ねっとりとした食感にならないので、それら増粘安定剤と粉末タイプの併用による各種食感改良目的でも利用されています。

さらに、こんにゃくのツブツブ感を生かした魚卵類似食品や、すり身代替え目的での利用も進められています。

いずれにしても、乾燥こんにゃくの歴史は今始まったばかりであり、新しい発想と工夫により思い掛けない商品につながることが期待できる素材といえるでしょう。



page Top